愛すべきローカル線 JR三角線

 三角線は、全長25.6㎞と短いながら、数あるローカル線の中でも個性派だ。古い車両をリサイクルして造ったという「キハ31型気動車」という小さなディーゼル列車が、軽やかに走っている。
レールも中古品の端を切って利用しているため、少し短い。だからカタンコトンとリズミカルな揺れが生まれるという。
 上下線とも普通列車が約1時間に1本運行される、ゆるやかなペース。思い立った駅で途中下車して、あたりを散策するのにちょうどいい。思わぬ旅の収穫に出逢えるはずだ。
 住吉駅を過ぎると、車窓には蒼い海が広がる。漁船がならんだ静かな港。海水浴客の喧騒から解放された海岸もいい。赤瀬駅に差し掛かるころには山の風景。えんやこらと峠を登り切ると、対岸の八代海に出る。
 三角線の一番の見どころといえば、日本の渚百選にも選ばれた「御輿来海岸」。引き潮になると広い海岸に美しい波紋を描き、その昔、行幸した景行天皇が思わず輿を止めて見入ったという言い伝えにも頷ける。
 煉瓦造りのトンネルを抜けるごとに、深緑の山だったり、開けた海岸だったり、車窓の表情が移り変わる。何とも贅沢なローカル線だ。

三角線時刻表